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レンズプロファイル冤罪?解消(モアレ対策方法)

このブログで、以前このような記事を書きました。
レンズプロファイルでディストーション補正が行われると比較明合成でモアレ縞が出るのでそれを解消するのにプロファイル自動適用を切ることで解決できる、という内容でした。

しかし、これは別の要因もあって、レンズプロファイル自動適用だけの要因ではないことがわかりました。

一言で言うと、レンズプロファイル適用と併せて一部RAW現像アプリ(確認できたのはAdbe製「CameraRaw」)でRAW現像することで起こる現象だと思われます。
従って実用上、RAW現像を別の対応アプリで行うと、レンズプロファイル自動適用のまま、モアレを回避できることがわかりました。
前回、プロファイル自動適用を解除するのは大変だったので、RAW現像方法を変えることで解決できるなら有り難いことですね。
これを確認するため、インターバル撮影した同じ素材を違う手順で比較明合成してみました。

素材は、NikonZfc+NIKKORZ14-30mm/4を使って三脚固定でインターバル撮影をしたものです。
撮影条件は「14mm、F4開放」「17秒間隔93枚インターバル撮影」「自動感度」「露出平滑化」「絞り優先オート」です。

まずは、以前と同様にPotoShopでRAW画像を直接レイヤーに取り込み、レイヤーを比較明にして統合したものです。
レンズプロファイル冤罪?解消(モアレ対策方法)_b0400557_12501497.jpg

画像の、特に右側の光害のあたりにモアレ縞が見えます。このカメラはDX(APS-C)サイズなので実質21mm相当の画角になっていますからFX(35フルサイズ)に比較するとモアレ縞は少なめですがやはり構図によっては目立ちます。
ちなみに、RAW現像をAdbe製「CameraRaw」で行なった後、「Sequator」で比較明(軌跡を出す)したときも同じ現象が起きました。
レンズプロファイル冤罪?解消(モアレ対策方法)_b0400557_19140306.jpg

一方、その解決方法になるのが、Nikon純正無料アプリの「NX Studio」でした。これを使ってRAW現像を行い、JPEGに書き出した画像を、以下PotoShopでJPEG画像をレイヤーに取り込み、レイヤーを比較明にして統合しました。
レンズプロファイル冤罪?解消(モアレ対策方法)_b0400557_12581354.jpg
このようにモアレ縞は一切見えません。素晴らしい!
さらに500枚合成してみましたが、全くモアレ縞はみられません。
レンズプロファイル冤罪?解消(モアレ対策方法)_b0400557_12581339.jpg

またWindowsで「Sequator」を動かした時、このアプリでもNikonのRAW(NEF)が直接読み込めることがわかったので、試したところNXStudio同様、問題ないことがわかりました。
レンズプロファイル冤罪?解消(モアレ対策方法)_b0400557_19171912.jpg

と言うことで、RAW現像をあらかじめ別のアプリ、今回確認したのはNikon「NX Studio」とフリーソフト「Sequator」、で行なったファイルを比較明合成すれば問題がないことがわかりました。

繰り返すと、
比較明合成で生じたモアレ縞は、レンズプロファイルのディストーション自動補正と一部RAW現像アプリの複合要因であることがわかりました。
レンズだけ責めるのは冤罪でしたのでここは筆者も謝罪しなくてはなりません。申し訳ありません。m(_ _)m
RAW現像ソフトに原因がありそうで、今回はAdbe「CameraRaw」を使った時にモアレが出ました。
それ以外のアプリは持っていないのでAdbeだけの現象なのかわかりません。
(ここでのRAW現像は現像時に全くパラメーターをいじらないことを前提にしています)

いずれにせよNikon純正アプリを使えば解決できることがわかったので原因究明はここまでとします。
(モアレは高周波成分の重ね合わせで発生するものなので画素ピッチやノイズが関連していそうですが深そうなので解決策がわかったことで良しとします;)

せっかくSequatorを立ち上げたので、星を固定してみました。
レンズプロファイル冤罪?解消(モアレ対策方法)_b0400557_19190362.jpg

(今回はたまたま筆者のレンズプロファイル自動適用をするレンズがNikon製だったので取り上げましたが、他社ミレーレスカメラの多くは自動補正がかかっているようです。今回と同じ結果になるとは限りませんのでご注意ください)


# by nahooh1 | 2023-06-19 13:03 | 星を撮ろう | Comments(0)

伊豆天城高原の星空 2023年5月17〜18日

伊豆高原から登って天城高原ゴルフコース入り口にある天城高原ハイカー専用駐車場は天体写真撮影地でも有名です。今回は久しぶりにそこに行って星を見て、撮って来ました。
5月の新月期の晴れ間は今しかなさそうだったので、行きました。この時期、夜半に夏の天の川が昇ってくるので南天の暗い天城高原を選びました。
まずはタイムラプス動画の撮影準備ですが、まだ薄明中なので「Starsphoto」を使って、時間経過後の星の動きを予測してカメラを設置しました。
結果的には夜半になって星が見えているときにカメラの位置を動かしたので「Starsphoto」を使わなくてもできましたが、前景も含めて星の移動が確認できるメリットも感じました。



日没から天の川が立ち上って、薄明に消えていく様子です。最後に片付けを始めた自分が写っています。
NikonZfc+NIKKOR Z14-30mm/4S F4.5 絞り優先オート、ISOオート、タイムラプス撮影、露出平滑化

出だしと最後はカメラ内4K動画自動生成、星空はRAW現像後jpeg化、動画化です。
ノイズが目立つのでアンダー目に処理しています。

下の画像はノイズリダクションはphotoshopのRAW現像でAIノイズ処理ですが、処理に時間がかかるので数百枚の一括処理には向いていません。
伊豆天城高原の星空 2023年5月17〜18日_b0400557_00191213.jpg
Nikon ZfcはUSB-C電源供給を受けながら撮影できるので、外部充電池を繋げて一晩中撮影できました。

一方、並行してさそり座アンタレス付近の「カラフルタウン」をパノラマ合成撮影しました。派手な色調を演出できるので人気の天体写真エリアです。
もちろん肉眼では見えないのですが、光を増幅蓄積できるデジカメによって美しい色で撮影できます。あまり派手にならないように処理していますが、筆者の画像処理技術の問題かも。;)

ニコンD810A+シグマ135mm/1.8Art
高橋90S赤道儀(K-ASTEC2軸モーター改造、MTS-3)
180秒x30枚x2モザイク、F2.5、ISO1600
DSS(Win)でスタック、フラット処理、Photoshopマージによりモザイク合成

伊豆天城高原の星空 2023年5月17〜18日_b0400557_14063257.jpg



パノラマ撮影は周辺減光が出ないようにフラット補正を正確にしたいのですがなかなか難しいです。フラット撮影は明け方、星の見えなくなった青空を撮影しました。
「ステライメージ」という天体画像処理アプリが筆者の(惑星強調の)定番で、スタック(コンポジット)も簡単に素早くできるように改善されたので使ってみたのですが、(フラット画像の?)青色が周辺に出てしまってダメでした。そこで以前から使っているDeepSkyStacker(DSS)にしてみると綺麗にできました。
天体写真の画像処理はどんどん進化していてついていくのが大変です。

2時を過ぎ、さそり座が傾くころ、いて座の銀河が立ち上ってきます。つい人気のある銀河中心エリアも撮影したくなります。

ニコンD810A+シグマ135mm/1.8Art
高橋90S赤道儀(K-ASTEC2軸モーター改造、MTS-3)
180秒x30枚、F2.5、ISO1600
DSS(Win)でスタック、フラット処理
伊豆天城高原の星空 2023年5月17〜18日_b0400557_12252445.jpg

135mmだと下からM8,M20,M17,M16の紅い散光星雲が写っています。
画面中央左に「バンビの横顔」が見えていますがわかりますか?

追記
高橋90S赤道儀(K-ASTEC2軸モーター改造、MTS-3)制御についてもわかったことがありました。以下に関連記事として追記しております。


# by nahooh1 | 2023-05-21 12:13 | 星を撮ろう | Comments(0)

妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日

群馬県妙義山麓で星景写真を撮ってきました。
まず夕から朝までのタイムラプス動画をご覧ください。



「県立森林公園 さくらの里」の外れにある「県立妙義公園 第2駐車場」で一夜を明かしました。15時ごろには多くの星屋が来ていましたが、広いところなので少し離れて場所をとりました。日が暮れる頃までは快晴が続き、星が期待されました。
NikonZfc+NIKKORZ14-30mm/4(14mm=換算21mm)
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22213708.jpg
が、夜が更けてくると雲が一面に広がってしまいました。
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22220162.jpg
諦めて落ち合った会社の同僚とダベっていたら急に星空になりました。桜を入れて構図を決めました。
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22214364.jpg
その間、タイムラプス撮影をしていましたが、昼間の明るいうちから構図を決めなくてはなりません。方角はだいたいわかるものの、北極星の位置を構図の中で決めるにはアプリ「StarsPhoto」が役に立ちます。AR機能で実際の写真をオーバーレイし、妙義山の奇抜な山体と上にある桜を入れつつ構図を決めました。
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22272710.png
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22502360.jpg
やがて雲も取れました。
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22220529.jpg
薄明が近づく頃、Zfcのバッテリーが2個とも切れ、カメラをチェンジ。
NikonD810A+Nikkor14-24mm/2.8
この画像はAdbe Lightroom Classic、PhotoshopのCameraRAWの新機能AIノイズ除去を使ってみました。
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22222763.jpg
こちらは従来通りのRAW現像。(色が同じでありませんが)
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22224452.jpg
中央付近、流星のあたりを拡大してみます。まずAIノイズ除去。
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22223832.jpg
従来現像。
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22225238.jpg
次に暗い駐車場を拡大してみます。まずAIノイズ除去。

妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22223317.jpg
従来のRAW現像
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22224842.jpg

AIの力は対象物のある車の方が絶大で、バックの木も含めてノイズまみれだったのが綺麗になっています。一方、星空のバックグラウンドも星を消さずに平坦になっています。ただノイズに規則性?があるとそれも残す傾向が強くて偽の星雲を生み出しそうです。


南天の空も星が出て、夏の天の川が立ち上がってきました。
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_13230570.jpg
翌朝も晴天で、改めて見ると八重桜がここにも咲いていました。写っているのは筆者の車で、ホンダフリードです。先月、フリード+を売却して購入したばかりの新車ですが、室内は桜の花びらだらけになって風流でした。
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22215421.jpg
ソメイヨシノは2週間前に咲いていたようですが散ってしまい、今回は八重桜の一種「カンザン」が咲き誇っていました。
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22230227.jpg
妙義山麓で星景タイムラプス撮影 2023年4月22日_b0400557_22214888.jpg


# by nahooh1 | 2023-04-25 22:29 | Stars photo 使用記 | Comments(0)

桜と星 2023年4月4〜5日

今年2023年の桜は平年より大幅に早く開花しましたが、その後も2週間以上散らずに咲き続けて楽しませてくれました。



神奈川県横浜市
NikonZfc NIKKORZ14-30mm/4(30mm、f4.5)
17秒間隔タイムラプス撮影、絞り優先オート+露出平滑化
2023年4月4日
17時35分〜20時03分 +20時25分〜22時25分 +4月5日 4時00分〜6時21分
桜と星 2023年4月4〜5日_b0400557_22532598.jpg
桜と星 2023年4月4〜5日_b0400557_22532592.jpg


# by nahooh1 | 2023-04-06 15:21 | 星を撮ろう | Comments(0)

12時間 星の軌跡

冬のこの時期、日本では夜の時間は半日を超え、薄明終了から薄明開始まで12時間以上あるので、星の軌跡を半円以上撮影記録することができます。
加えて横浜では太平洋岸の冬晴れになる季節でもあるので快晴のまま一晩超えることもあります。
わかっていてもフィルム時代では、12時間も露光すると余程の暗闇でない限り露光オーバーになるので不可能でした。しかし、デジタルカメラと画像合成によって街中でも撮影可能になりました。

その結果がこちらです。わかっているつもりでしたが、これほど星が写るのに驚きました。それに飛行機の多さもですが。途中雲が出てしまったのが残念ですが星が途切れることがなくて、レコードの溝(もう遺物のような表現ですが)が綺麗に写りました。

2022年12月26日17時30分〜27日06時00分 17秒間隔約3000枚
NikonZfc+NIKKORZ14-30mm/4S(16mm=35mm換算24mm)
絞り優先オート・F4  ISOオート100〜1000「インターバル撮影」露出平滑化
12時間 星の軌跡_b0400557_18011249.jpg

デジタルカメラといっても、以前ならバッテリー不足で12時間の連続撮影はできませんでした。今回はNikonZfcのUSB給電を利用することで、AndroidスマホのACアダプタから給電し連続撮影が可能になりました。
また「インターバル撮影」を17秒間隔で3000枚行うことも自動で可能になっています。メモリーカードの容量は64GBでRAWでは厳しいのでjpegで撮影しました。
寝ている間に撮影完了でありがたい時代になりました;)。

また動画も作成しましたのでご覧ください。


まずこのカメラでインターバル撮影同時にタイムラプス動画を4kで生成してくれるものです。露出平滑化機能が優れているニコンですが、今回はフリッカーが見えます。近くに信号機があるので横の家の壁が光っているのが影響したのかもしれません。
次に、アプリ「StarStaX」を使って、星の軌跡を比較明合成で一枚一枚伸びてゆくように自動作成してくれたものと、星の軌跡が彗星の尾のように伸びるよう自動処理をしたものを動画ソフト「DaVinci Resolve」で動画にしたものです。

この撮影にあたっては、夕方まだ明るい時から撮影を開始するために、アプリ「StarsPhoto」を使用してあらかじめ構図を決めました。
12時間 星の軌跡_b0400557_17543789.jpg
ただ実際の撮影では北極星が右にずれていますが、これはスマホコンパスセンサの誤差です。実は南西に見えた月で位置合わせをしたのですがこの時誤差があったようで、北に向けた時にはスマホの表示のまま合わせれば正確だったのにわざと月のずれに合わせてずらしたのです。
アプリでの「校正」をかけると正確になりましたが撮影開始後で後の祭り。事前に校正するのがおすすめです。

# by nahooh1 | 2022-12-28 18:00 | 星を撮ろう | Comments(0)