このブログで、以前このような記事を書きました。
レンズプロファイルでディストーション補正が行われると比較明合成でモアレ縞が出るのでそれを解消するのにプロファイル自動適用を切ることで解決できる、という内容でした。
しかし、これは別の要因もあって、レンズプロファイル自動適用だけの要因ではないことがわかりました。
一言で言うと、レンズプロファイル適用と併せて一部RAW現像アプリ(確認できたのはAdbe製「CameraRaw」)でRAW現像することで起こる現象だと思われます。
従って実用上、RAW現像を別の対応アプリで行うと、レンズプロファイル自動適用のまま、モアレを回避できることがわかりました。
前回、プロファイル自動適用を解除するのは大変だったので、RAW現像方法を変えることで解決できるなら有り難いことですね。
これを確認するため、インターバル撮影した同じ素材を違う手順で比較明合成してみました。
素材は、NikonZfc+NIKKORZ14-30mm/4を使って三脚固定でインターバル撮影をしたものです。
撮影条件は「14mm、F4開放」「17秒間隔93枚インターバル撮影」「自動感度」「露出平滑化」「絞り優先オート」です。
まずは、以前と同様にPotoShopでRAW画像を直接レイヤーに取り込み、レイヤーを比較明にして統合したものです。
画像の、特に右側の光害のあたりにモアレ縞が見えます。このカメラはDX(APS-C)サイズなので実質21mm相当の画角になっていますからFX(35フルサイズ)に比較するとモアレ縞は少なめですがやはり構図によっては目立ちます。
ちなみに、RAW現像をAdbe製「CameraRaw」で行なった後、「Sequator」で比較明(軌跡を出す)したときも同じ現象が起きました。
一方、その解決方法になるのが、Nikon純正無料アプリの「NX Studio」でした。これを使ってRAW現像を行い、JPEGに書き出した画像を、以下PotoShopでJPEG画像をレイヤーに取り込み、レイヤーを比較明にして統合しました。
このようにモアレ縞は一切見えません。素晴らしい!さらに500枚合成してみましたが、全くモアレ縞はみられません。
またWindowsで「Sequator」を動かした時、このアプリでもNikonのRAW(NEF)が直接読み込めることがわかったので、試したところNXStudio同様、問題ないことがわかりました。
と言うことで、RAW現像をあらかじめ別のアプリ、今回確認したのはNikon「NX Studio」とフリーソフト「Sequator」、で行なったファイルを比較明合成すれば問題がないことがわかりました。
繰り返すと、
比較明合成で生じたモアレ縞は、レンズプロファイルのディストーション自動補正と一部RAW現像アプリの複合要因であることがわかりました。レンズだけ責めるのは冤罪でしたのでここは筆者も謝罪しなくてはなりません。申し訳ありません。m(_ _)m
RAW現像ソフトに原因がありそうで、今回はAdbe「CameraRaw」を使った時にモアレが出ました。
それ以外のアプリは持っていないのでAdbeだけの現象なのかわかりません。
(ここでのRAW現像は現像時に全くパラメーターをいじらないことを前提にしています)
いずれにせよNikon純正アプリを使えば解決できることがわかったので原因究明はここまでとします。
(モアレは高周波成分の重ね合わせで発生するものなので画素ピッチやノイズが関連していそうですが深そうなので解決策がわかったことで良しとします;)
せっかくSequatorを立ち上げたので、星を固定してみました。
(今回はたまたま筆者のレンズプロファイル自動適用をするレンズがNikon製だったので取り上げましたが、他社ミレーレスカメラの多くは自動補正がかかっているようです。今回と同じ結果になるとは限りませんのでご注意ください)